中古車輸出のやり方
では具体的に中古車輸出は、どうやって輸出先国に届けるのでしょうか?当海外マーケット研究会で何社かの実際に中古車輸出を仕事でされている会社を調査してみました。その結果、中古車輸出のやり方については、各社で独自にやりやすいやり方を構築しており実に様々なやり方がありました。中古車の販売、海外の方への営業方法から中古車の仕入れ、船への積み方、それぞれ各会社が長年経験してきた実績の中で各社特有のノウハウを構築していました。そこで恐らく各社それぞれに他社との差別化の要因にして有利にしていたりしているのでしょう。

本当に様々で、ある会社ではこうしているのに、また別の会社では全く違う方式を取っているなど一口では表されませんでした。ですので、ここでは、簡潔にどの会社でもここだけは同じようにしているという共通する項目、基本的な中古車輸出の流れについてご説明するにとどめておきましょう。

ここに記載した説明で足りない箇所について、中古車輸出をもっと詳しく説明してくれている書籍で参考になりそうなものがないものか探してみました。

中古車の輸出で起業 | 中古車輸出業の実務講座

中古車輸出の主な流れとしては、1.中古車の海外販売、海外営業方法、2.中古車の仕入れ、3.中古車の販売料金の受取り、4.中古車の船積み手配、5.B/L(船荷証券)の手配・お届け、6.自動車リサイクル税の還付という流れにになります。


1. 中古車の海外販売、海外営業方法
まず中古車輸出しようと思ったら、なんといってもその中古車を輸出する輸出国先、車の購入者を見つけなければなりません。海外の車の購入者を見つけるのに、日本国内の新聞や雑誌、メディアなどで販促しても全く意味がないのは当然ですよね。やはりホームページ、あなたの中古車販売ウェブサイト、ネットショップが必要です(中古車輸出のウェブサイト制作会社例は下記参照)。あなたの中古車販売ウェブサイトから車の問合わせが入りましたら、その方と実際にどんな中古車が欲しいのか、販売価格は?輸出先の条件は?などについて細かく打ち合わせします。販売価格が決まったら、後々トラブルが起こらないように支払条件などを実際の中古車輸出作業前にしっかり決めておきましょう。

中古車輸出の開業支援会


例えば、マツダのデミオが欲しいというようなオーダーが入ります。

※注1
商売目的で中古車輸出をされる場合は、必ず都道府県の公安委員会(警察署)で古物商の許可の申請が必要です。(詳しくはこちら

※注2
あとあとのトラブルが発生しないように海外バイヤーと必ず売買契約書(Proforma Invoice)を締結しましょう。支払条件が前払い(Advanced Payment)の場合はともかく、契約後、即仕入れの後払いの場合は、代金が回収できないというトラブルが発生するケースも増えています。


2. 中古車の仕入れ
中古車の仕入れは、もっとも一般的にどこの中古車輸出をされている会社も仕入れている箇所は中古車オークション会場になります。そのほかに知り合いの方で、もう自動車の必要が無くなった方から仕入れるなど各社でいろいろ工夫されて仕入れているようです。皆さんも、中古車輸出に最適な中古車は、どこから仕入れるのが自分には一番都合よく効率的に仕入れるかを研究してみて、自分に一番最適な仕入れの方法を見つけてみましょう。

 
車は、全国各地のオークション会場などから仕入れます。

※注1
商売目的で中古車輸出をされる場合は、必ず都道府県の公安委員会(警察署)で古物商の許可の申請が必要です。(詳しくはこちら


3.中古車の販売料金の受取り
実際に、あなたが中古車輸出した中古車の成果を報酬として受け取れるあなたにとっての重要な箇所になります。最初に取り決めた売買契約書の内容に基づいて、支払内容をしっかりバイヤーにお伝えして、全ての代金を回収をしっかり回収できるように努めましょう。いろいろとサポートしてくれるコンサルタントみたいなところと相談できるようにしておくと安心ですね。

代金の決済は、非常に大事な事です。トラブルの殆どは、車の欠陥と支払いのことに尽きるでしょう。まず支払いのことは、くれぐれもバイヤーと事前に明確にしておくことをお勧めします。一番重要な部分ではありますので、コンサルタント料をケチるのではなくしっかりしたサポート体制を整えておかれるのが安心です。

中古車輸出の開業支援会


4.中古車の船積み手配
車を輸出する輸出先のバイヤーも見つかりました。しっかり売買契約書も交わし成約しました。代金の回収もしました。さて、いよいよ実際の中古車輸出の作業である船積みの手配、手続きに入ります。船会社、乙仲会社などへ輸送スペースの空き状況を確認してブッキング(Booking)し、輸出通関の手配を進めます。

※注1
代金の回収は、船積み後の後払いの場合もありますし、LC決済などの場合もあります。ご自分の契約した売買契約書の内容をご確認下さい。

中古車輸出する船のブッキング
まず輸出先国へ中古車を運ぶために載せる船の船腹手配(Booking)をしなければなりません。プロの中古車輸出者の多くが使用している 船のブッキング、船積みに役立つ書籍をこちら でご紹介しています。

※注1
FOB契約の場合はバイヤーが船の船腹手配(Booking)します。

中古車の輸出通関手続き
輸出通関手続きに必要な書類を用意しましょう。主に必要な輸出書類は、送り状(インボイス=Invoice)、梱包明細書(パッキングリスト=Packing List)です。インボイスには、車種名、車体番号、年式、ガソリン、ディーゼルなどの燃料、排気量などを明記します。ご自分でやらずに通関業者を利用する場合には、中古車輸出に慣れた通関業者を選ばれた方がスムーズに中古車の輸出通関手続きを進められます。

※注1
輸出先国によっては、港で船積みする前に輸出検査が必要な国もあります。

中古車の輸出抹消登録
中古車輸出するには、その輸出する車輌について各地域の運輸局にて輸出抹消仮登録(一時抹消登録していない車両の場合)もしくは輸出予定届出証明書(一時抹消登録している車両の場合)の交付を受けなければなりません。発行された証明書の有効期限は6カ月です。本書類は、有効期限内に税関に提出して輸出申告して下さい。この手続きは軽自動車や特殊車両など道路運送車輌法上、自動車登録されている全ての自動車が対象となります。

※注1
事故車などの車輌をブレークダウン、バラバラに解体した場合は、自動車のような車輌ではなくカーパーツとなるため、これらの輸出の場合は部品扱いとなります。パーツ輸出に必要な証明書については、輸入先国で必要となる書類もありますので、バイヤーともよくご相談下さい。

中古車の輸出検査
中古車輸出では、輸出先国によっては輸出前にJEVIC、JAAIなどの輸出前車輌検査が必要な国もあります。輸出検査が必要な場合は、車輌の輸出検査を受けて下さい。

中古車の港への搬入
船会社、乙仲会社と打合わせの上、ブッキングが終わった輸出車輌を港内指定の保税エリア(保税地域)に搬入します。輸出車輌の車体、車内やタイヤに泥や植物の種子などが付いていると、輸入先国で検疫に引っかかって輸入できない場合もありますので、搬入前にはしっかり洗浄、洗車されておかれることをお奨めします。


RORO船は、車をそのまま乗船、下船できます。

また車内やトランクルームには、その車輌の標準装備品(予備タイヤ1個、工具類一式など)と仕入書に記載された貨物以外のものがあると、輸入先国で輸入できない場合もありますのでご注意下さい。
購入された輸入者にサービスで車のカーステレオを付けてあげる場合などでも必ず送り状に「Car Stereo 10,000JP Yen」などと追記するようにしましょう。バイヤーによっては車に関係の無い自分の私物などを車内に持込みたがるバイヤーもいますが、事情を説明してしっかりお断りするようにしましょう。

 
コンテナ船で運ぶ場合は、コンテナ内に車を固定します。

税関申告、輸出検査、輸出許可
近年、盗難自動車、中古車(二輪、建設機械など)の海外への不正輸出が増えています。税関でも輸出申告の審査などの際に、関係機関と連絡を密に取り合って盗難車でないことを確認したりして不正輸出の防止に努めています。

審査が厳しくなり、返納証明書の原本、中古建設重機の譲渡証明書、売買請求書、領収書の写し、ブレークダウンしたカーパーツの登録事項証明書などを輸出申告書類に添付することを求められたりする場合もあります。さらにカーパーツなどの場合、盗難車などを不法解体してパーツで輸出するケースも増えてきているため、解体時のマニフェスト(管理表)の提示を税関に求められた事例もあります。

参考:キャッチオール規制

審査が厳しくなったり混雑時など様々な理由で税関検査に思った以上に時間が掛かってしまう場合もありますので、船積み、船の出航スケジュールには時間に余裕をもった計画をお奨めします。

輸出が許可されますと、税関から国土交通省に輸出許可がおりて、輸出抹消の情報は公益財団法人自動車リサイクル促進センター(JARC)にも連絡されます。その後、車輌は船に積み込まれます。


5.B/L(船荷証券)の手配・お届け
船積みがすべて終わりましたら、船会社からはB/L(船荷証券)が、通関業者からは輸出許可通知書が発行されます。発行されたこれらの書類は輸出側に届けられます。

※注1
コンテナ船での輸出やオーストラリアへの輸出の場合、船会社から車輌のガソリンを抜いたり、バッテリーのターミナルを外したり、エアコンに付いているフロン代替ガスを廃棄したりするように求められる場合もあります。

中古車のB/L(船荷証券)発送
船会社からB/L(船荷証券)が届いたら、必ずバイヤーからの代金が全額回収されたことを確認してから届いたB/L(船荷証券)をバイヤー宛に郵送してあげて下さい。

B/L(船荷証券)をバイヤーに届けることで輸出した車輌の所有権がバイヤーに引渡しされます。海上保険証券がある場合は一緒に発送します。そのほか輸出先国によって輸出抹消書類の英訳文など必要な書類がある場合には、それらの必要な書類も一緒に発送します。

B/Lの郵送に使用できる業者(クーリエ=Courrier)

※注1
香港など日本の近隣国への輸出の場合は、船のほうが先に到着してしまいますので、B/Lを輸出側で発送せずに元地回収(サレンダー=surrender)にする場合もあります。


6.自動車リサイクル税の還付
中古車輸出は、自動車リサイクル税を還付してもらうことができます。
輸出者は、船積み後、再資源化預託金等の取戻し申請書、輸出抹消仮登録証明書または輸出予定届出証明書、輸出許可書(要車輌の車体番号)、船荷証券(要車輌の車体番号)の写しを公益財団法人自動車リサイクル促進センター(JARC)に提出することでリサイクル料金の返還請求を行うことができます。

2005年に施行された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(自動車リサイクル法)により、新車の購入時もしくは、それ以前に購入した車については最初の車検時か廃車時に車種に応じたリサイクル料金を支払うようになりました。これらリサイクル料金と輸出抹消登録情報は公益財団法人自動車リサイクル促進センター(JARC)によって管理されていますので、これらの情報を照合することで料金の返還をしてもらえます。

せっかく還付してもらえる金額ですので、なるだけ中古車の船積みが完了したら、自動車リサイクル輸出返還事務センターに返還申請をして、自動車リサイクル料の還付を受けるようにしましょう。

中古車輸出をされている方(法人)は、自動車リサイクルシステムへの登録を行うことでオンラインで手続きを行うことができるようになっています。オンライン手続きの場合、返還手数料が安くなっています。

自動車リサイクル輸出返還事務センター | 電話での問合せ:0570-064-860